こんにちは!
今回は、「発酵バターと普通のバターの違いは?保存方法や家庭で作る方法も」というテーマです。
バターは、私たち日本人にもなじみがあり、日ごろの食卓を豊かにしてくれる食材です。
では、「発酵バター」というバターはご存知でしょうか?
発酵バターは、通常のバターよりも風味が豊かで、より美味しく食べられることができる食材なんですよ。
発酵したものって体にいいですからね。
しかも、発酵バターは自宅でも作れてしまうというから驚きです。
そこで今回は、発酵バターの特徴や通常バターとの違い、作り方などについてお伝えしたいと思います。
もくじ
発酵バターとは?
発酵バターとは、原材料に「乳酸菌」を用いて発酵させるところに大きな特徴があります。
ちなみに、発酵バターは英語で「ripened butter」と言います。
発酵バターと普通のバターの違いは?
発酵バターと通常のバターとの違いは、簡単に言いますと乳酸菌で発酵させてから作るかどうかの違いにあります。
通常のバターは、主に牛乳を原料にして作られ、牛乳に含まれる乳脂肪を煮詰めてかき混ぜて作るのですが、発酵バターは作る過程で「乳酸菌」を入れて、時間をかけて発酵させたバターのことをいいます。
この一手間を加える事によって、発酵バターはコクが深まり、独特の風味が増すのです。
バターと発酵バターの歴史
バターの歴史はとても古く、発祥の地はヨーロッパと言われていますが、実際のところそのルーツは定かではありません。
紀元前4千年に、イスラエルで作られていたのではという一説もあります。
昔から酪農がさかんだったヨーロッパでは、古くからバターやチーズなどの乳製品が作られていました。
しかし昔の技術では、乳脂肪を分離するまでに時間が掛かってしまい、その間に牛乳の発酵が進んでしまうという状況でした。
したがって、発酵バターをあえて作ったというわけではなく、「気づいたら勝手に発酵していた」というのが、発酵バターの始まりでした。
その後、製法技術が進み、乳酸発酵せずにでバターが作られるようになりましたが、ヨーロッパでは食べ慣れている発酵バターが現在も好まれているんですよ。
そして、日本にバターが持ち込まれたのは4世紀~6世紀頃で、中国からだったとされています。
中国って、動物にしろ食べ物にしろ、いろいろな物を日本に伝えているんですね。
一度は日本に持ち込まれたものの、その時はあまりバターが日本人に浸透することはなく、本格的に浸透し始めたのは酪農を始めた明治維新の頃からでした。
その後は洋食文化も盛んになるなど、私たち日本人にとってバターは身近な存在となっていったのです。
昔は発酵バターは傷みやすいのが難点でしたが、現在では製法や物品の技術も進みましたので、発酵バターを家庭でも手軽に食べることができるようになりました。
発酵バターの特徴
コクがあって風味が豊か
発酵バターは通常のバターと違い、作る過程で乳酸菌を入れて発酵させる製法で作られているため、独特の香りとコクを持ち合わせた風味豊かなバターになります。
料理にはもちろんのこと、クッキーやケーキなどの焼き菓子に発酵バターを使用することによって、風味豊かなワンランク上の美味しさを味わうことができます。
長期保存には向いていない
発酵バターは通常のバターと比べると保存性が低く、劣化しやすいため、長期保存には向いておりません。
ですので、なるべく早く使い切ることをおすすめします。
発酵バターの作り方
発酵バターは、家庭で手作りすることができるんですよ。
少し時間はかかりますが、作り方はとってもシンプルです。
<用意するもの>
・生クリームは200ml(脂肪分が40%以上のものを選ぶと良いバターになりやすいです)
・ヨーグルトは大さじ1杯(発酵させることが出来るなら、どのようなヨーグルトでも大丈夫ですが、乳酸菌の寿命は短いので、賞味期限内のなるべく未開封のものを使用しましょう)
・ボウル 2つ
・キッチンペーパー 数枚
・スプーンなどかき混ぜる物
・オーブンレンジ
材料は以上です!材料が少ないのも嬉しいですよね。
<作り方>
①生クリームのパックを開けて、その中に直接ヨーグルトを入れて、スプーンなどでよくかき混ぜる。
②生クリームのパックの口をクリップなどで封をする。
③40℃のオーブンレンジで6時間発酵させる。
④その後、冷蔵庫に入れて3日間寝かせ、クリームチーズのようになっているのを確認したらボウルに入れる。
⑤ハンドミキサーをかけ、水分とかたまりに分離させる。
※ハンドミキサーがない場合は、瓶に入れて勢いよく振って分離させるという方法もあります。手動の泡だて器でも出来なくはないですが、時間はかかります。
⑥固形分がポロポロになって水分と分離したら、ボウルにキッチンペーパー2~3枚を敷き、その中に入れる。
⑦キッチンペーパーで包み、手でギュッと強く絞る。
※水分がなくなるまでキッチンペーパーを変えながら、絞るのを繰り返してください。
※このとき出た水分は乳清(ホエイ)と呼ばれるものです。海外では普通に飲み物として売られており、脂肪分が取り除かれているので通常の牛乳より低カロリーです。また、栄養も豊富に含まれていますから、捨てると勿体ないです。
もちろんそのまま飲むこともできますし、ヨーグルトにかけて食べたり料理に使用するなどすることをおすすめします。
⑧ある程度水分を絞り終えたら、新しいキッチンペーパーで発酵バターをまとめ、輪ゴムなどで口を縛って、一晩冷蔵庫で残りの水分を抜く。
※キッチンペーパーでまとめたものを、グラスなどの上に置いて冷蔵庫に入れておくと、グラスとの隙間に水分が滴り、より水分が抜けやすいです。
⑨一晩経ったら完成です!
この段階では無塩の発酵バターですので、お好みで塩を加えても美味しいです。
発酵バターを作るときの注意点
発酵バターを作るときには、雑菌などが入らないようにするため、使用する器具を消毒してから作るようにしてください。
発酵バターの保存方法
発酵バターは、市販のもので未開封なら3ヶ月~半年ほど持ちますし、開封したあとも2週間ほどは持ちます。
しかし、バターは18℃を超えると溶け出しますので、それ以下の温度で保存しなければなりません。
冷蔵庫保管で良いのですが、品質の劣化や保存期間を少しでも長くしたいのであれば、2℃~6℃で保存すると尚いいです。
また、冷凍することも可能ですから、手作りの発酵バターは1回量を小分けにして、空気が入らないようサランラップでピッタリと包みます。
そしてそれを、ジップロックなどのフリーザーバッグに入れて冷凍しましょう。
使用する時は自然解凍するか、凍ったままでも使用が可能です。
凍らせることで、1か月ほど持たせることができます。
バターとマーガリンはどう違うのか?
バターのほかに、マーガリンというものがあります。
マーガリンも手軽に食べられ、美味しいですよね。
そもそも、バターとマーガリンってどう違うのでしょうか?
マーガリンとは、コーン油・大豆油・紅花油などの食用油脂を主にして混ぜて作ったものなんです。
フランスでは18世紀頃に、戦争のためバターが不足しており、そのため牛脂と牛乳を混ぜて固めたものをバターの代用品にしようと作られたのが、マーガリンの始まりだといわれています。
バターとマーガリンは、原材料からして別物だということが分かりますね。
おわりに
発酵バターは、家庭でも作れてしまうことが分かりましたね。
発酵食材ということで、腸内環境を整えてくれたり美肌効果にも一役買ってくれたりと、嬉しい効果も期待できますから、積極的に摂っていきたいものです。
とはいえ、バターはバターですので、あくまでも摂りすぎには注意してくださいね。
何でもそうですが、「ほどほどにバランスよく」がいいのです。
保存方法をしっかりと行い、風味豊かでおいしい発酵バターを楽しんでくださいね。
では今回はこのへんで。
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