こんにちは。
今回は、「蛍(ホタル)のスピリチュアルな生態は?かつては不吉な意味だった」というテーマについてです。
夏の風物詩といえば、セミのほかに蛍(ホタル)を思い受かべる方も多いのではないでしょうか。
夜の川辺に漂う蛍たちは、本当に幻想的ですよね。
そんな神秘的でキレイな光を放つ蛍ですが、かつては不吉さを象徴する生き物だったことをご存知でしたか?
あんなに美しいのに、不吉だなんて不思議ですよね。
そこで今回は、蛍(ホタル)の特徴や不吉だといわれていた理由などについてご紹介したいと思います。
もくじ
蛍(ホタル)のスピリチュアルな生態とは
先ほど「夏の風物詩」とお伝えしましたが、厳密にいいますと蛍は5月下旬から6月上旬にかけて見ることのできる生き物ですから、セミが「真夏の風物詩」だとすれば、蛍は「初夏の風物詩」といったところでしょうか。
日本の蛍のなかで代表的な種類といえば、「ゲンジボタル」が有名です。
ゲンジボタルの成虫の体長は約15mm前後で、日本産のホタル類の中では大型の種類になります。
体の色は黒色ですが、前胸部の左右がピンク色なのが特長で、さらには中央に十字架の形をした黒い模様があります。
ちなみに学名は、「Luciola cruciata」(光る十字架)なんですよ。
体に十字架の形をした模様があるなんて、「死者」や「霊」を連想してしまいますよね。
また、成虫になってからの蛍の寿命は約1~2週間と短いですから、それも相まって余計に儚さが強調されるような気がします。
蛍(ホタル)はかつては不吉な意味だった?
蛍は古来より生息している生き物であり、平安時代の頃になりますと「恋の歌」として蛍が登場したりなど、美しさや儚さを比喩する生き物として好まれていました。
スピリチュアル的に、蛍は「恋」や「霊魂」に例えられることもあるのですが、しかし平安時代以前の時代では、蛍はどちらかというと不吉な生き物として捉えられていました。
日本では蛍(ホタル)が放つ光は邪神の象徴だった
はるか昔の日本は、現代のような灯りはなく、わずかな火種を守りながら暗闇の中で生活をしていました。
そのなかで、蛍が光を放って無数に舞う姿は、今でこそ人々は「儚く美しい」と捉えられますが、昔の人はその光に恐れやマイナスイメージを感じていたといいます。
炎の光とは違い、蛍の光は熱を持ちませんから「熱を持たない冷たい火」というのは、不吉なイメージが強かったのかもしれませんね。
また、実際日本書紀には「彼地多有蛍火之光神及蠅聲邪神」という記述があります。
天照大神の孫である瓊瓊杵尊が、地上に降りてきたときに地上の様子を描き記したものなのですが、そこには蛍が放つ光が邪神の象徴だとする記述がなされているといいます。
西洋では蛍(ホタル)が放つ光は神に反逆した天使「ルシファー」
蛍が光を放つ発光物質は「ルシフェリン」なのですが、これは「ルシファー」が語源となっています。
ルシファーとは『明けの明星(金星)」を意味している光の天使であり、かつてルシファーは天使の中でもとくに神々しく美しい光を放っていたため、自分が天界では最高位であると思い込み神へ反逆した結果、地獄へと落とされて「サタン」となってしまったという伝説があります。
このことから、初期のキリスト教の教父たちは、ルシファーとサタンは同じ存在だと定めました。
サタンやルシファーは、これまで多くの絵画に登場しているのですが、天界から墜落していくルシファーは美しい天使のままの姿で描かれているものがほとんどだといいます。
ちなみに「ルシファー」は、日本語では「堕天使」という意味になります。
そういったことから、ルシファーが発光物資「ルシフェリン」の語源となっている蛍の光は、なにやら不吉なものだと西洋の人も捉えていたようです。
しかし、昔は不吉なイメージが強く恐れられていた蛍ですが、時代が変わるにつれて神秘的で儚い美しさが注目されるようになりました。
そして、その儚い光のイメージから「霊魂」や「恋」にも例えられたりするようになり、初夏の風物詩として親しまれるようになっていきました。
「腐草為蛍(ふそうほたるとなる)」とは?
「腐草為蛍(ふそうほたるとなる)」は、二十四節気では「芒種(ぼうしゅ)」の真ん中の時期にあたり、七十二候の第26侯、6月11日~6月15日までを示します。
昔の人は、夏季に腐った草が蒸れて蛍に生まれ変わると信じていました。
実際に蛍は、時期になると蒸れた草の下でひっそりと明かりを灯し始めます。
なぜ腐った草が蛍になるのか・・・それは、蛍の別名である「朽草(くちくさ)」が所以となっています。
土の中でサナギになった蛍は、羽化すると朽ちた草の中から光を放って出てくる蛍の様を見て、昔の人は「腐って蒸れた草が蛍になった」と信じていたようですね。
「腐った」「朽ちる」などと聞くと、あまり良いイメージがわかないのですが、湿っている草の中から美しい光を放って飛び立つ蛍を思い浮かべた、美しいイメージを捉えた表現となります。
おわりに
蛍は、子供時代に住んでいた家の近くの川で毎年のように見かけました。
本当に幻想的で、子供ながらに吸い込まれるような感覚を持ったのを覚えています。
はるか昔には、不吉な光として捉えられていたようですが、現代では良いイメージの方が大きいですよね。
ただ、死者の魂が宿っているだとか、死者が蛍となって現れたなどとも言われたりするのは、蛍が持つスピリチュアルな意味「霊魂」が大きいのかもしれません。
最近めっきり見る機会がなくなってしまった蛍、時期が来たら久しぶりに見てみたいものです。
では今回はこのへんで。
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