こんにちは!
今回は、「アブラムシ駆除にはコーヒーが効く?意外な対策や注意点も!」というテーマです。
気が付くと、作物や草花にわんさかと アブラムシが大量発生していることがあります。
実際に見たことがある方は分かると思うのですが、大量にうごめき合っている姿は非常に気持ちが悪いですし、野菜や草花にも悪影響を及ぼしてしましますので、見つけたら即刻駆除することが必要です。
出来れば、発生も防ぎたいですよね。
そこで今回は、アブラムシの駆除方法としてコーヒーを使った方法や、その他効果のある対策についてお伝えしたいと思います。
アブラムシを駆除する時期はいつが良い?
アブラムシの駆除に適している時期は、春先の3月~11月です。
一般的には、春から秋にかけて発生するのですが、とくに春先の繁殖が著しく、大発生しますから要注意です。
春先の繁殖期には、メスの成虫が1日に数匹~十数匹も産み、あとにも述べますが幼虫は10日前後で成虫になるので、たとえ見かけた数が少なかったとしても、数日後には植物全体にびっしりと群棲します。
なお、真夏の7月と8月には若干アブラムシの量は減りますが、真夏を過ぎた9月頃からまた多くなってきます。
アブラムシはなぜ大量発生するのか?
そもそも、どうしてアブラムシは湧くように発生するのでしょうか。
単為生殖による卵胎生という特徴がある
アブラムシの最大ともいえる特徴は、メスだけでも子孫を増やすことができる「単為生殖」にあります。
単為生殖による卵胎生(生まれる前にお腹の中で孵化して幼虫となり、そのまま幼虫を産むこと)にて、生まれた幼虫はわずが10日ほどで成虫となるため、爆発的に繁殖していきます。
時期によってはオスと交尾することもありますが、爆発的に増える原因は、その単為生殖による卵胎生も関係しているといえますね。
窒素分の多い肥料を与えすぎている
アブラムシが発生する原因の1つとして「窒素分の多い肥料を与えすぎ」という点が挙げられます。
窒素分の多い肥料を与えすぎると、葉っぱで合成されるアミノ酸が多くなりすぎてしまいます。
そうすると、アブラムシはアミノ酸が大好きなので、多く作られすぎたアミノ酸の多い葉っぱにアブラムシが寄ってくるというわけなんです。
植物間の幅が狭く、風通しが悪い環境
もう1つの原因は「植物間の幅が狭く、風通しが悪い環境」が挙げられます。
風通しの悪い環境だとアブラムシがわきやすいので、風通しを良くして植物にまんべんなく日が当たるようにしてください。
アブラムシの生態
アブラムシは、体長約1~4mmのカメムシ目のアブラムシ上科に属する昆虫の総称で、日本だけでもその種類は700以上はいるといわれています。
体の色も緑色だけではなく、黒色や黄色などさまざまなアブラムシがいます。
また先にも述べましたが、アブラムシはメスだけでも子孫を増やすことができる「単為生殖」という特質を持っています。
普段アブラムシは、集団で植物の汁(師管液)を吸って生活しています。
またアブラムシは種類によって生態も違うのですが、膜状の小さな翅(ハネ)を持つアブラムシは飛ぶことができます。
しかし、そういった飛べるタイプは一定の期間にしか発生せず(春に孵化したアブラムシ)、そのほかは翅を持たずじっと植物の汁を吸っています。
さらに、アブラムシはウィルス病を媒介するため植物にダメージを与え、大量のアブラムシに侵された植物はやがて枯れてしまうという、非常に厄介な害虫でもあります。
媒介するウイルスの種類は、主に「キュウリモザイクウイルス」や「カブモザイクウイルス」「ジャガイモYウイルス」などとされています。
アリとアブラムシの関係
アブラムシは体の外殻が柔らかく防御力が弱いため、天敵の虫がたくさんいます。
そこで、自分の体(肛門)から「甘露」と呼ばれる甘い排せつ物を出し、その甘露をアリに提供することで、天敵から身を守ってもらおうとする共生関係を築いているのです。
アブラムシの食餌である師管液には大量の糖分が含まれているため、そのような甘い排せつ物を出すことができるのですね。
また、アブラムシは別名「アリマキ(蟻牧)」とも言われているのですが、このアリとの共生関係が別名の所以だとわれています。
アブラムシの駆除方法
アブラムシを駆除する方法には、コーヒーをはじめ様々な手段があります。
アブラムシ駆除をコーヒーでする方法
アブラムシの活動が活発になってからでは遅いので、暖かくなる前の春先に行いましょう。
ただし、コーヒーそのものには殺虫作用はありませんので、あくまでも忌避効果がある方法です。
コーヒーの種類は何でも良く、インスタントコーヒーでももちろんいいのですが、濃ければ濃いほど予防効果は高くなります。
わざわざ買う必要はありませんよ。
飲み残しや作りすぎてしまったコーヒーで十分です。
粗熱が取れたそれらのコーヒーを、100均などで購入したスプレーボトルに入れて、植物に吹きかけて使用します。
実のなる植物の場合、花にはかからないようにしてくださいね。実の発育を阻害してしまう恐れがあるからです。
コーヒー散布の忌避効果は、アブラムシ以外にもハダニにも効果があるんですよ。
散布後は、洗い流す必要はありません。
アブラムシ駆除を牛乳でする方法
牛乳を使う場合、大量に発生してからでは効果が期待できませんので、アブラムシの数が少ないうちに行いましょう。
牛乳をスプレーすることで、牛乳の膜でアブラムシが窒息死したり、牛乳が乾燥するときに縮む力で圧迫死させることができます。
やり方としては、牛乳をそのままか、もしくは水で薄めてスプレーボトルに入れて直接植物に吹きかけます。
その後、乾いたらしっかりと洗い流します。洗い流しがしっかりできていないと植物によくありませんし、悪臭や雑菌繁殖の原因にもなりますので、この方法をする場合は念入りに洗い流しましょう。
すぐに乾く、天気の良い日がいいですね。
アブラムシ駆除を油石鹸水でする方法
油石鹸水をスプレーすることによって、アブラムシを10分ほどで窒息させることができます。
やり方としましては、500mlのペットボトルに油をキャップ1杯入れ、食器洗剤(無香料無着色のものが良い)をキャップ半分ほど入れます。
そのあと水道水をペットボトルに9割ほど入れて、よく振って混ぜます。
振って混ぜる際、泡が発生しますので、混ぜ終わったらその泡がなくなるまでしばらく待ち、白濁したら完成です。
これをスプレーボトルに入れ、アブラムシに向けてスプレーしましょう。
アブラムシを見つけたら、その都度スプレーするのが効果的なんですが、毎日行ってしまうと植物が弱る恐れがありますので、週に1回からのペースで様子を見ながら行ってみてください。
なお、石鹸は「ヤシノミ洗剤」のような、野菜も洗えるような優しい無香料無着色のものや、脂肪酸ナトリウム99%の「シャボン玉石けん スノール」などが望ましいです。
純粋な固形石鹸を、細かく刻んで使用しても大丈夫です。
純粋な無香料無着色の石鹸(食器洗剤)であれば、1日~10日ほどで紫外線やバクテリアによって、水と二酸化炭素に分解され自然に帰りますので、作物にスプレーしても無害なんですよ。
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アブラムシ駆除を唐辛子スプレーでする方法
アルコール度数が35度以上のもの(消毒用のエタノール、焼酎、ホワイトリカー、ウォッカなど)に赤唐辛子を2週間ほど漬け込んだ液体を300〜5500倍に薄め、週1回ほど植物にスプレーします。
多くスプレーしすぎると、葉っぱが傷む恐れがありますので注意してください。
唐辛子を長く浸けこむほど、唐辛子の成分が溶けだし、よりアブラムシを寄せ付けにくくなります。
アブラムシ駆除を米酢でする方法
米酢は駆除のほかにも、カビの繁殖を防いだり葉っぱの艶が出たりなどの効果も期待できます。
やり方としては、おおよそ米酢500mlの中に唐辛子5~10本程、ニンニク1かけを30~60日ほど漬け込み、その液を300倍くらいに薄めたものをスプレーボトルに入れて吹きかけます。
お酢・唐辛子・ニンニクの匂いで寄せ付けない方法です。
アブラムシ駆除を木酢液(竹酢液)でする方法
木酢液には大変な殺菌力があり、同時に虫よけにも効果を発揮してくれる液体です。
香りは、燻製のスモークのような香りです。
木酢液は種類が豊富にありますが、購入する際には植物や入浴に使えるようなタイプを選ぶようにしてください。
やり方としては、木酢液の原液を水で50~100倍に薄めたものをスプレーボトルに入れて散布します。
薄める濃度に関しては、説明文をよくお読みになってください。
また、木酢液より竹酢液の方が、安全性が植物や人に対して若干高いといわれています。
朝夕2回程度、植物にスプレーしてみてください。
アブラムシ駆除をベニカマイルドスプレーでする方法
ベニカマイルドスプレーは市販の薬剤なんですが、入れ物がスプレータイプになっていますから、買ってすぐに使うことができます。
そのまま植物にスプレーするのですが、収穫の直前まで使うことができます。
ご使用の際は、説明書きをよくお読みになってくださいね。
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散布以外にはどんな駆除方法や対策がある?
アブラムシ駆除をテントウムシでする方法
テントウムシはアブラムシの天敵です。
テントウムシは、小さい体ながら1匹で10匹以上のアブラムシを捕食するんですよ。
アブラムシが繁殖時期に入る前の早い段階に、テントウムシを見つけておいて、植物に放っておくとアブラムシの予防や駆除が期待できます。
しかし、「テントウムシを見つけるぞ!」と意気込んだところで、早々簡単には見つかりませんよね^^;
そんな時は、ネットで生きたテントウムシを購入することができるんですよ。
いわゆる「天敵農法」で売り出されているテントウムシは、一時的に羽に接着剤が付いているため、飛ばないテントウムシなんです。
せっかくアブラムシの駆除用に購入したのに、あっという間に飛んで行ってしまったら切ないですからね。
その後に繁殖したテントウムシが飛ぶとしても、ビニールハウス内でしたら問題なさそうですね。
ブラムシ駆除をアルミホイルでする方法
アブラムシに限らずすべての昆虫は、太陽などの光りを頼りに位置や進む方向を把握しています。
ですので、その習性を利用してアルミホイルを植物の下に敷いてみましょう。
光るものでしたら、アルミホイル以外のものでも構いません。
地面に光るものがあることでアブラムシは混乱をきたし、方向感覚が分からなくなるため植物に付着していることが困難な状態となります。
防虫ネットを使用する
防虫ネットを使用することで、アブラムシの成虫が卵を産みつけることができないため、大量発生を防ぐことができます。
早めに対策することで、被害を最小限に抑えることができます。
テープを使用する
原始的な方法ですが、テープを使ってアブラムシを取っていく方法です。
粘着力の強いテープを使用すると、葉っぱや花が傷ついたり、作物にダメージをきたす恐れがありますので、粘着力が弱めのテープを使って優しく丁寧に取り除きましょう。
おわりに
アブラムシを駆除する方法は、じつに色々な方法があるんですね。
何が一番効くのかは、様子を見ながら試していってくださいね。
散布剤の濃度も、はじめは少しの範囲で試すなどして、作物や葉っぱに影響がないか注意して散布することをおすすめします。
厄介なアブラムシを、一網打尽にしてしまいましょう!