「コメが足りない? 小泉農相が判断ミス?」
──そんなニュースに驚いた方も多いのではないでしょうか。
日本の主食であるコメが不足し、価格が高くなるという事態は、私たちの生活に直接関わる大きな問題です。
小泉農水相が「判断を見誤ってしまった」と認め、「増産へ舵を切る」と発言したことで、政府の農政に対する信頼も問われています。
しかし、本当に増産すればすべて解決するのでしょうか?
この記事では「コメ増産? 小泉農相『判断ミス』5つの背景」と題し、問題の本質を5つの視点からわかりやすく解説します。
現場の声や気候の変化、政策のむずかしさなどを通して、これからの日本の食について一緒に考えてみませんか?
もくじ
①コメ増産?小泉農相が語った内容
2025年8月5日、政府はコメの安定供給に向けた会議を開きました。
この会議には石破首相や小泉農水相が出席し、コメ不足の原因と今後の対応について話し合われました。
農水省の見通しでは「人口が減るのでコメの需要も下がる」と考えていました。
しかし実際には、コメの需要が思ったより高かったのです。
たとえば、以下のような理由がありました。
- 訪日外国人が増えたため、外食やお土産でのコメの消費が増えた
- 精米後にできる白米の量が、昔よりも少なくなっていた
これらの要因が見逃され、備蓄米を出すタイミングも遅れてしまいました。
その結果、コメの価格が上がり、消費者にも影響が出ました。
小泉農水相は「判断を見誤った」と述べ、コメをもっと作る方向に方針を変えると話しました。
ですが、それには多くの課題があるのです。
②コメ増産の前に農家の高齢化問題
コメを増やすには、まず作る人が必要です。
しかし今、日本の農家の多くが高齢化しています。
- 農業従事者の平均年齢は70歳近い
- 若い人が農業をやりたがらない
- 家族経営が多く、後を継ぐ人がいない
このような現状では、「増やせ」と言ってもすぐには無理です。
また、農業は体力も必要で、夏の猛暑では命の危険さえあります。
さらに、農業は機械を使うことも多く、初期費用もかかります。
若者が農業を選びやすくするためには、以下のような支援が求められます。
- 農業の収入が安定するしくみ
- スマート農業などの機械化支援
- 地域での人材育成プログラム
高齢化の波を乗り越えない限り、増産は「絵に描いたもち」となってしまいかねません。
③コメ増産できない理由は畑にもある
「じゃあ、田んぼを増やせばいい」と思うかもしれませんが、これも簡単ではありません。
日本では長年、「減反(げんたん)政策」が行われてきました。
- 減反とは、作りすぎを防ぐために田んぼでコメを作らないようにする政策
- 作らなかった農家には補助金が出る
この結果、多くの田んぼは休耕地(使われていない畑)になりました。
一度コメを作らなくなった田んぼは、すぐには戻せません。
- 土地がやせている
- 水の設備が壊れている
- 他の作物を育てる畑に変えてしまった
これらの問題を解決するには、お金と時間が必要です。
すぐに「増産」と言っても、畑の準備から始める必要があるのです。
④コメ増産と気候変動の関係
気候の変化もコメ作りにとって大きな壁です。
最近の夏は猛暑や大雨、はたまた2025年は雨不足であり、農作業がとてもむずかしくなっています。
- 猛暑で稲が枯れる
- 台風で田んぼが流される
- 雨が多い、または雨不足で収穫量が減る
これに加え、日本では四季がはっきりしていますが、そのリズムも変わってきています。
田植えの時期や稲刈りのタイミングがズレてしまい、予定通りに作れないことも増えています。
気候変動に対応するには、次のような工夫が必要です。
- 暑さや病気に強い新品種の開発
- 台風に強い設備(排水・土留め)
- 気象データを活用した計画づくり
気候と戦いながら作物を育てるには、高い技術と知識が求められます。
これもまた、「すぐ増やせる」話ではありません。
⑤コメ増産より大事な食料の備え
コメが足りなくなったときのために、国は「備蓄米(びちくまい)」という保存米を持っています。
ですが、今回のように放出が遅れると、意味がありません。
実は他の国は、日本よりもずっと多くの食料を備えています。
- 中国は2年分の穀物を備蓄
- アメリカはトウモロコシなどの大量備蓄あり
一方で日本は、2024年の時点で備蓄米は約100万トン。
これでは安心できません。
コメ以外の食料も合わせて、少なくとも1年分、できれば1500万トンほどの備蓄が必要だという意見もあります。
地震や戦争、輸入ストップのときでも、日本人が生きていけるようにするには、日ごろからの備えが大切です。
国の責任として、しっかりした備蓄計画とスピーディーな対応が求められています。
まとめ:増産だけでは解決できない
小泉農水相の「増産へ舵を切る」という発言は、責任を取るという意味で重要でした。
しかし、現場の実態を見ると、簡単なことではありません。
- 農家の高齢化で人手が足りない
- 畑の準備がすぐにできない
- 気候変動で作りにくくなっている
- 備蓄の体制も不十分
こうした問題を一つずつ解決していかないと、ただ「増やせ」と言っても前には進みません。
今こそ、食料の大切さに気づき、国と私たちが一緒になって考えるときです。
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投稿者プロフィール

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元看護師です。
現在は在宅ワークにて、過酷な看護師生活に終止符を打ちました。
世の中のなぜなに?や、ホットな耳より情報をお届けしています。
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