こんにちは。
今回は、「ウイグル弾圧の企業は取引中止に!?世の中が少しずつ変化しているか」というテーマについてです。
2月22日のニュース記事によりますと、ウイグル族に対する強制労働などが認められた企業は、取引を停止する方針が固められ、日本企業も12社名前が挙がっていたようです。
え?日本企業12社がウイグル族に強制労働させていたの?と思ってしまったのですが、これは日本企業側が取引を停止するという捉え方でいいのですかね。
どういうことなんでしょうか。
今回は、ニュース記事の内容とウイグル族弾圧のワケについてお伝えしたいと思います。
もくじ
ウイグル弾圧の企業は取引中止に!?どういうこと!?
電子機器や服飾を含む日本の主要小売り・製造業12社が方針を固めたという記事。発信元はロイター。#ウイグル
ウイグル弾圧企業は取引停止へ 日本企業12社、対応迫られ | 2021/2/21 - 共同通信 https://t.co/GF81qd64Uf
— 清水ともみ (@swim_shu) February 21, 2021
2021年2月22日 共同通信社記事によりますと、
電子機器や服飾を含む日本の主要小売り・製造業12社が、中国新疆ウイグル自治区などでの少数民族ウイグル族に対する強制労働への関与が取引先の中国企業で確認された場合、取引を停止する方針を固めたことが21日、共同通信の取材で分かった。
米英両国がウイグル族の強制労働を理由に自治区に関連した綿製品などの輸入規制に相次いで踏み切っており、日本企業も対応を迫られていた。
う~ん、なんだかこの文面は誤解されやすいといいますか、分かりにくい記事だと思ったのは私だけでしょうか。
私に理解力がないだけなのかもしれませんが。
しかし、ずっと進展がなかったウイグル弾圧問題に、ついに進展が生じるのかもしれません。
この調子で、強制収容されているウイグル族の方々が解放されると良いのですが。
名前が挙がった日本企業12社とは?
ツイッター等で名前が挙がっていた日本企業12社は、以下のとおりでした。
・日立製鉄所
・ジャパンディスプレイ
・三菱電機
・ミツミ電機
・任天堂
・パナソニック
・ソニー
・TDK
・東芝
・ユニクロ
・シャープ
・無印良品
※追加情報で、報告書にはしまむらと京セラが含まれていたので2社追加で計14社だとのことです。
しかし、言っていることがよく分からない汗
そう思ってもう少し調べていたところ、分かりやすいツイッター画像を載せてくださっている方がいました。
中国企業、ウイグル強制労働なら日本企業12社が取引停止へ。産経新聞より。けっこうあるんですね。。。 pic.twitter.com/9HaN4KJsR9
— あきら (@ygnBXR0OLsj5UVJ) February 22, 2021
どうやら、日本企業の14社のうち12社が「ウイグル族の強制労働が認められた企業とは取引を停止しますよ」と回答したということのようです。
上記の産経新聞によりますと、TDKとパナソニックは未回答のままとなっていますが、よくよく文面を読んでみますと『全ての質問への回答を拒否したパナソニックを除く、いずれの企業も強制労働の疑いが指摘された企業との直接取引を否定するか、取引先の強制労働を確認できなかったと説明した』とありましたから、TDKは今後の取引をどうするかについては明確にしていないものの、いくつかの質問には回答しているようですね。
それにしても、パナソニックはなぜすべての質問に回答拒否をしたのでしょうか。
2020年から動きはあった
2020.10月「DIAMOND online」記事によりますと、
中国各地でウイグル人の強制労働を下請けのサプライチェーンなどで使っている主要企業として合計82社が挙げられ、この中に日本企業12社の名前が記されているのだ。
この12社(ブランド)が、日立製作所、ジャパンディスプレイ、三菱電機、ミツミ電機、任天堂、パナソニック、ソニー、TDK、東芝、ユニクロ、シャープ、無印良品だ。
日本ウイグル協会は20年5月に、上記の日本企業の社長宛てに書簡を送り、この「疑い」について質問と要望を伝えたところ、8月までに、1社を除いた11社からは回答があった。
そして唯一、回答がなかった企業がパナソニックなのだ。
日本ウイグル協会はパナソニックが唯一の未回答である件につき、あらためて声明を出すよう検討しているという。
このようにありました。
日本ウイグル協会は、2020年5月の時点で上記の日本企業12社の社長あてに書簡を送っていたのですね。
しまむらと京セラは、その後に送られたということでしょうか。
ウイグル協会の質問状に対して、パナソニックだけは「1社のみ未回答」となったが、回答した企業の中でもその内容は千差万別だ。
今回の調査の中で、最もしっかりと回答できていたのは、ユニクロを展開するファーストリテイリングだろう。
同社は新彊ウイグル自治区内での生産がないことや、豪ASPIの報告書内で自社と関連付けられている企業との間に取引がないことを明確に伝えた上で、自社の人権ポリシーを説明。さらに今後、より高い視点で人権問題について自社内でも調査を実施することを宣言している。
ユニクロは新彊ウイグル自治区内での生産がないことをはっきりと伝え、さらには自社の人権ポリシーや今後の働きかけについても宣言されているようですね。
他方、一応回答したものの、何とも心もとないのが日立製作所だった。「自社は行動規範や人権方針に沿って行動している」という宣言だけがメールで短く書かれており、今回の豪ASPIの報告内容への言及はなし。ウイグル自治区での人権侵害への該否については答えていない。
11社から回答があったと言っても、その内容や厚みは様々だったということになりますかね。
※しかしながら、現在様々な情報が飛び交っているため、どの情報が定かなのかは分からないような状況となっています。
国際NGOやパタゴニアの素早い判断
国際NGO「ベター・コットン・イニシアティブ」(BCI)は、アディダスやH&M、イケア、ナイキといったグローバル企業が参加する団体なのですが、その団体は2020年3月、「信頼性の高い認証やライセンスに適さない」として、ウイグル産のすべての綿花から認証シールを撤回しました。
つまり、ウイグル地区からのコットンの購入停止を決定したのです。
またパタゴニアも、同年7月23日には新彊ウイグル地区からの素材調達をやめることを表明しています。
2020年の時点ですでに動きはあったのですね。
なぜウイグル族は弾圧されるのか?
そもそも、なぜウイグル族は目の敵のように弾圧されているのでしょうか?
ウイグル族とは、ウイグル地域に住むトルコ系の民族です。
信仰する宗教もイスラム教であり、言語もウイグル語を話し中国語はほぼ話しません。顔の造りも、中国人とはやはり違っています。
中国領土に住んでいる別の民族といったところでしょうか。
ウイグル族は、1930年代・1940年代にはそれぞれ独立し、「東トルキスタン共和国」として建国されました。
しかし1949年の内戦により勝利した中国共産党は、ウイグル地域を支配し中国へ統合したのです。
そして1955年には、現在の新疆ウイグル自治区が設立されました。
新疆ウイグル自治区では、2017年から強制収容施設での不当な拘束が大々的に行われるようになりました。
ウイグル自治区にいる約1000万人のうち、100万〜150万人が「再教育」という名のもとに収容所へ強制収容され、収容所の中では暴力や拷問などといったものが横行していると言われており、家族は連絡も取れないと聞きました。
なかには強制不妊手術をさせられるなど、非道ともいえることが繰り返されているようです。
まるで、ウイグル族を消滅させようとしているかのようですね。
なぜ中国ではこのようなことが行われているのか?
中国における信教の自由の迫害と人権に関する雑誌「BITTER WINTER」のマッシモ・イントロヴィーニャ氏によれば、
簡単には2つの答えを挙げられるが、1つは間違っており、もう1つは不完全だ。まず、中国共産党には宗教を嫌悪するきらいがあるから、といえる。これは事実ではあるが、迫害を受けたウイグル族の数が近年、劇的に増加した状況を説明していない。中国共産党の宗教嫌いは何も今に始まったことではない。それではなぜ今、ウイグル族に対して、これほど大規模な取り締まりが行われているのだろうか?
もう1つ考えられるのは、中国共産党がウイグル族の「分離主義」と「テロリズム」を恐れているから、というものである。
もちろんこの答えは党として目指す方向性に一致するし、中国共産党も、この説明を国際的なメディアや各国政府に遮二無二売り込んでいる。中国共産党の望む成果が得られているとは言い難いが、一部のメディアではまだこの説明が繰り返されている。
要するに、中国語を話さず宗教はイスラム教、中国人とは異なる民族性や宗教、言語を持っていることが中国側としては気に入らない、またイスラム教であるがゆえ、テロリズムの可能性も否めない、ならば強制的に弾圧・迫害をしておかなれば、、、ということでしょうかね。
ウイグル族も黙ってはおらず、過去には多くの独立運動(暴動・テロ含む)を繰り返してきたといいます。
しかし、2001年にアメリカで起きた「アメリカ同時多発テロ」により、イスラム過激派が世界中に知られることとなり、イスラム教であるウイグル族への目は一層厳しくなりました。
このようなことから、ウイグル族の人々は酷い弾圧や迫害を受けてきたようです。
しかし強制弾圧は許されることではない
しかしいかなる理由があろうとも、人権や尊厳を無視し強制的に弾圧をすることは許されることではありません。
今回の動きが、ウイグル族の方々にとって良い方向に向かうと良いのですが。
これまで「力」でもってねじ伏せてきた中国共産党は、今後どのような動きを見せるのでしょうね。
罪のない善良な人々が、安心して暮らせる世の中になりますように。
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