こんにちは!
今回は、「ハマキムシ駆除に効く農薬は?予防方法や見つけ方についても!」というテーマです。
ハマキムシという虫をご存知ですか?
植物の葉っぱがクルっと不自然に丸まっているのを、もしかしたら見かけたことがある方もいるかもしれませんね。
あの丸まっている葉っぱの中に、ハマキムシの幼虫が潜んでいるんですよ。
ただ単に、丸まっているだけならいいのですが、ハマキムシは植物の葉っぱや実を食い荒らしてしまう厄介な害虫ですので、早々の駆除が重要となってきます。
今回は、ハマキムシに有効な農薬や予防方法などについてお伝えしたいと思います。
もくじ
ハマキムシとは?
ハマキムシとは、鱗翅目(チョウ目)ハマキガ科に属する蛾の幼虫です。
漢字では「葉巻虫」と書きます。
自分で糸を吐き出し、その糸で葉っぱを丸めて中に隠れる習性が、葉巻虫の名前の由来だとされています。
日本には、じつに500種類以上のハマキムシが生息しており、なかでも「チャハマキ」と「チャノコカクモンハマキ(コカクモンハマキ)」などが
代表的なものとなっています。
ほかには、
・リンゴコカクモンハマキ
・アトボシハマキ
・ミダレカクモンハマキ
・トビハマキ
などがいます。
どの種類も、植物に与える被害状況が似ているため、ハマキムシの種類を判別することは非常に困難です。
ちなみに、植物に害を与えるのは幼虫の状態のときです。
ハマキムシの生態
ハマキムシの生態は、一般的な蛾の生態と同じで、卵→幼虫→サナギ→成虫の4段階となります。
ハマキムシの卵の特徴
ハマキムシの卵は、白~淡い黄色でよく見ると楕円形をしています。
あまりじっくりとは見たくないですよね^^;
葉っぱに産み付けられた約200個ほどの卵は、約2週間ほどで孵化して増殖を広げていきます。
ハマキムシの幼虫の特徴
チャハマキは体長約20mm、チャノコカクモンハマキは約25mmです。
いわゆる「イモムシ」の姿であり、体の色は種類によって異なりますが、緑色や茶色、黒っぽい色をした幼虫が多いです。
糸巻き巻き…#ハマキムシ #チャハマキ #昆虫観察 pic.twitter.com/qIRTjy8jTW
— ӧ (@kanaokita) May 16, 2020
ハマキムシの幼虫は集団行動はせず、孵化するとそれぞれで活動し始めます。
柔らかい葉っぱはクルっと巻き、かたい葉っぱは2~3枚を糸でくっ付けて中に潜みます。
なかには、糸で綴り合わせたようなものもあります。
https://twitter.com/MORIIFARM/status/1264013176615563269
そして約1か月ほどでサナギになり、冬であれば幼虫のまま巻いた葉っぱの中で過ごします。
ハマキムシの厄介な点は、古い葉っぱではなく若い葉っぱや新芽、つぼみなどを好んで食餌にするところなんです。
幼虫が大きくなると、今度は果実も食い荒らしていきます。
被害の初期段階では、葉っぱの表面がところどころ白く透けた状態になる程度なんですが、被害が大きくなってくると、果実にも食害が広がります。
はじめは果実の表面だけ食べていたのが、徐々に食入していき落果を引き起こします。
花弁は、幼虫が吐き出した糸でつづられたうえ、かじられてしまうこともありますので、見た目が悪くなったり咲かずに枯れてしまうこともあります。
さらに食害が進むと、植物は十分に光合成を行えなくなり、成長にも大きな影響を及ぼしてしまうのです。
ハマキムシの成虫の特徴
チャハマキは翅を閉じた状態で体長約10~15mm、チャノコカクモンハマキは約6~10mmです。
ハマキムシの成虫は、角ばった翅を持ち、全体的に薄茶色のような色をしています。
成虫は食害はしないのですが、夜間になると灯りのあるところで飛び回り、1度に200個ほどの卵を葉っぱに産み付けますので、寄せ付けないに越したことはありません。
ハマキムシの天敵は?
ハマキムシの天敵は、ヤドリバエやヒメバチ、コマユバチなどの寄生性昆虫やクモ、カマキリ、鳥類、テントウムシ、アリ、カエルなどがハマキムシの天敵です。
これらの天敵が駆除してくれることもあるかもしれませんね。
ハマキムシが発生しやすい時期は?
ハマキムシが発生しやすい時期は、主に4~11月です。
冬以外は被害に遭いやすいと考えておいた方がいいでしょう。
暖冬の年ですと、冬でも活動する可能性があります。
ハマキムシは暑い時期を好むため、とくに7月~8月頃は被害が多く、また高温で乾燥する年に発生が多い傾向にあります。
寒地においては年に3~4回、暖地では4~5回のサイクルで成虫と幼虫を繰り返し発生し、被害が拡大していきます。
しかし種類によっては、このサイクルが年1~2回のハマキムシも存在します。
どちらにせよ、年に何回も発生しますので、一度駆除したからと言って安心はできないのです。
よって、定期的に薬剤を散布する必要があります。
ハマキムシの被害に遭いやすい植物は?
ハマキムシの被害に遭いやすい植物は、草花はもちろんのこと広葉樹や果樹、野菜などじつに様々な植物です。
主な植物としては、
・オリーブ
・リンゴ
・シャクナゲ
・カキ
・シマトネリコ
・ハイビスカス
・オクラ
・ツバキ
・フヨウ
・モッコク
・イヌツゲ
・クサツゲ
・タチアオイ
などが挙げられます。
また、一般的に害虫が付きにくいとされているミントやシソなどのハーブ類も被害に遭うことがありますので、注意が必要です。
ハマキムシ駆除に効果的な農薬(薬剤)は?
ハマキムシ駆除に有効な農薬(薬剤)には、オルトラン水和剤・スミチオン乳剤・ベニカS乳剤などが挙げられます。
どれも多くの植物に使用可能ですが、ハーブ類には使用不可となっています。
その他、使用する際には説明書きをよくお読みになってください。
また、農薬(薬剤)は幼虫が若いうちのほうがよく効きますので、孵化した早い時期に散布を行いましょう。
オルトラン水和剤
オルトランは水和剤は、浸透移行性なので効果に持続性があります。
葉や茎から吸収された薬剤が植物内に行き渡りますので、直接薬剤がかからなくても、丸まった葉っぱに潜んでいるハマキムシにも効果を発揮します。
また、散布後はあとから発生したハマキムシにも効果を発揮してくれます。
活動が活発になる前の6月と7月のはじめに1回づつ散布したら予防にもなります。
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スミチオン乳剤
スミチオン乳剤は、とても有名な殺虫剤で即効性があります。
ハマキムシのほかにも、アブラムシやテントウムシダマシなど、各種の害虫に効果を発揮します。
注意点としましては、ハマキムシに薬剤が直接かからないと効果がありませんので、葉の中に隠れている場合には、幼虫に薬剤がかかるようにする必要があります。
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ベニカS乳剤
ベニカS乳剤は、庭木、果樹、野菜などに幅広く使える即効性と持続性(チャドクガ・若令幼虫で1~2週間、散布葉)のある薬剤です。
ケムシ、アオムシなどチョウ目害虫に優れた効果があります。
注意点としましては、スミチオン乳剤と同様、直接ハマキムシにかからないと効果がありませんので、しっかりと散布する必要があります。
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ハマキムシを駆除する方法は、農薬以外で何がある?
被害に遭っている葉っぱごと摘み取る
ハマキムシが付いている葉っぱごと摘み取り、できれば圧殺してから袋に入れて処分をします。
もしも圧殺に抵抗がある場合には、葉っぱごと摘み取ったら袋に入れて処分するだけでも大丈夫です。
摘み取ったあと、その辺に葉っぱを置いて放置するのは止めましょう。
活動が活発になる夏場より前に摘み取るのが効果的です。
冬場でも、見つけたらその都度摘み取っておきましょう。
ハマキムシを寄せ付けない予防方法は?
木酢液を散布する
木酢液は非常に高い忌避効果がありますので、水で薄めたものをスプレーボトルに入れて散布すると効果を期待できます。
ハマキムシ以外の害虫にも有効なのが嬉しいですね。
ただし、木酢液は独特の香りがしますので(燻製のスモークのような)、苦手な方には向いていないかもしれません。
防虫ネットを使用する
防虫ネットを使用することで、成虫が卵を産み付けることが不可能になりますので、よってハマキムシが発生するのを予防することができます。
夜間は不要な灯りを消す
ハマキムシの成虫は蛾ですので、夜間は明るい場所に集まってくる習性があります。
植物の近くに灯りがあると成虫が寄ってきてしまい、卵を産み付けられてしまいますので、不要な灯りは消すようにしましょう。
HB-101を使用して害虫に負けない植物を育てる
HB-101とは、杉やヒノキ、松などから抽出したエキスです。
このエキスは、植物には欠かせない栄養素がすべて含まれているため、植物を成長を促し活性化させ、生命力をアップしてくれます。
したがって、HB-101を使用することにより、害虫などの外敵に負けない力を与えてくれるのです。
作物や花の数・大きさも見事になりますから、植物を健康的に大きく育てたい場合に適しています。
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おわりに
ハマキムシは新芽や若葉を好んで食しますから、本当に厄介な害虫だといえます。
定期的に植物をチェックして、クルっと丸まった怪しい葉っぱを見つけた時には、適宜取り除くことが重要ですね。
いろんな植物に発生しますが、とくにオリーブが好きだと聞きますので、オリーブを育てている方はとくに注意してください。
害虫駆除や対策をして、立派な植物を育てましょう。
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