世の中のこと 豆知識

救急車サイレン鳴らさない要望が招いた悲劇5選

「救急車、サイレン鳴らさないで来てほしい」

——そう思ったことはありませんか?

夜中に呼ぶと近所迷惑になりそうで、不安になりますよね。

特に住宅街では、サイレンの音が響きわたるため、つい「静かに来てほしい」と頼みたくなる方も多いでしょう。

しかしその要望が、命に関わる大きな問題を引き起こすことがあるのです。

実際に、静岡県では「サイレンを鳴らさずに来て」と頼んだことで、司令員が緊急性が少ないと判断し、その結果患者が亡くなってしまったという悲しい事例が起きました。

本記事では、そうした要望がどのような問題を生み、なぜ危険なのかを実例とともに解説します。
正しく知っておくことは、あなたや家族の命を守ることにもつながります。

この記事を通じて、読者の皆さまが誤解を解き、適切な判断ができるようになることを願っています。

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救急車サイレン鳴らさない要望は可能?

救急車がサイレンを鳴らさずに来ることは、原則としてできません。

道路交通法では、救急車をはじめとした緊急車両は、以下のような条件で走行しなければならないと定められています。

  • サイレンを鳴らすこと

  • 赤色の警告灯を点灯させること

この2つを行わないと、「緊急自動車」としての優先通行が認められません。

つまり、信号無視や対向車線走行といった特別な運転が許されないのです。

例えば赤信号の交差点にさしかかったとき、サイレンなしの車両は緊急車として扱われないため、通常の車と同じルールで止まる必要があります。

具体例

  • サイレンを鳴らさない場合
     → 救急車は通常の車と同じように走る必要がある
     → 到着までに時間がかかる
     → 命に関わる可能性がある

救急車サイレン鳴らさない要望が多い理由

夜間や静かな住宅街では、「サイレンを鳴らさないでほしい」という声がよくあります。

救急車を呼ぶときに周囲の目を気にする人が多く、以下のような理由から要望が出ることがあります。

  • 深夜に響く音が近所迷惑になる

  • 高齢の親を静かに搬送したい

  • 家族のプライバシーを守りたい

実際、消防への通報時に「音を控えて来てほしい」と伝える人は一定数おり、消防側も音量を調整するなどの工夫を行うケースもあるようです。

具体例

  • 夜11時ごろに救急車を呼んだ40代女性
     →「近所に知られたくないので静かに来てください」と依頼
     → 消防が音を小さくして対応したが、完全に無音ではなかった

救急車サイレン鳴らさない要望で起きた悲劇1:掛川市の死亡事故

「静かに来て」との要望で判断を誤り、命を落とす事例が実際に発生しています。

静岡県掛川市では、母親から「2日間動けない」と119番通報があったものの、指令員が緊急性なしと判断し救急車を出動させませんでした。

「サイレンを鳴らさずに来てほしい」という要望や搬送先の指定も影響したとされます。

再通報で約5時間後に救急搬送されたものの、すでに男性は心肺停止状態で、病院で死亡が確認されました。

関係者の調査では

「緊急ではないという先入観にとらわれた」

「症状を詳しく聞くべきだった」

との反省が出ています。

  • 午後5時25分:母親が119番通報

  • 指令員が「介護タクシー」を案内し出動見送り

  • 午後10時50分:再度通報→救急搬送

  • 病院で死亡確認

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救急車サイレン鳴らさない要望が招いた他の実例4つ

他にも、静かにしてほしいという思いが原因で起きたトラブルや悲劇は少なくありません。

要望に配慮しすぎると、以下のような問題が発生することがあります。

  • 医師の到着が遅れて後遺症が残る

  • 救急隊と近所の人がトラブルになる

  • 恥ずかしさから通報が遅れる

  • 職員が要望に迷い、判断ミスする

事例

  1. 後遺症が残った例
     → 子どもが熱性けいれんで倒れたが、サイレンを止めるように頼み、到着が遅れて後遺症が残った

  2. 通報者が近所と口論に
     → サイレン音に怒った住人が救急隊に抗議し、現場が混乱した

  3. 本人が恥ずかしくて通報拒否
     → 高校生が腹痛を我慢しすぎて重症化。近所に知られたくない気持ちが原因

  4. 高齢者施設で対応が遅れ死亡
     → 夜間のサイレンにクレームが入ることを恐れ、施設側が救急要請を遅らせた

筆者の体験談「子どもの命を救ったサイレン」

子どもが2歳のとき、夜の9時頃に突然、熱性けいれんを起こしました。
はじめは落ち着くのを待ちましたが、そのうち痰や鼻水が喉に詰まり、息が止まりはじめたのです。

全身が紫色になり、家族はあわてて救急車を呼びました。

そのとき、遠くから「大きなサイレン」が聞こえ、まもなくして救急隊の方が駆けつけてくださいました。
すぐに適切な処置をしていただいたおかげで、子どもは一命を取りとめました。

あのときは、サイレンの音がうるさいとか、近所に迷惑がかかるといったことを考える余裕はまったくありませんでした。

目の前で命の危機が起きているとき、何よりも大事なのは「1秒でも早く来てもらうこと」だと、心から感じました。

救急車サイレン鳴らさない要望が危ない理由5つ

サイレンなしの要望には大きな危険が潜んでいます。

命を守るために知っておくべきです。

サイレンを止めると、救急車は以下のような制限を受けます。

①信号を無視できない

②他の車が道を譲らない

③渋滞に巻き込まれる

④緊急車両の特例が無効になる

⑤誤解が生じて通報が遅れることもある

具体例

  • 赤信号を守る必要があるため、救急車は交差点で止まってしまう

  • 前を走る車が緊急車だと気づかず、進路を譲らない

  • 無音で近づくことで、通行人や自転車と接触する危険がある

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まとめ:救急車サイレンは命を守る音です

  • 夜間でもためらわず119番する

  • 通報時は症状を正確に伝える

  • 音が気になるなら、あらかじめご近所に声をかける(余裕があれば)

  • サイレンの意味を家族で話し合っておく

サイレンの音は、命を救うために鳴らされています。

サイレンを鳴らすことで、周囲の人や車に「道を空けてください」という強いメッセージを送ることができます。

それにより、1秒でも早く患者のもとへ到着できるのです。

投稿者プロフィール

ベビーカステラ
元看護師です。
現在は在宅ワークにて、過酷な看護師生活に終止符を打ちました。
世の中のなぜなに?や、ホットな耳より情報をお届けしています。

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