こんにちは。
今回は、「Act Against AIDSについて。寄付の見える化と疑問点は?」というテーマについてです。
昨日は、Act Against AIDSとラオスのことについてずっと調べていました。
もしかしたら勘違いしていることがあるかもしれませんし、まだ知らないことがあるかもしれないと思いましてね。
活動内容やイベントのチケット代、ラオスの環境や三浦春馬さんのイベントに対する言葉などを、インタビュー記事や公式サイトなどを見て虱潰しに調べてみたところ、私が勘違いしていたであろう点や疑問点が出てきましたので、今回はそれらのことについてお伝えしたいと思います。
もくじ
Act Against AIDSが始まったきっかけは?
Act Against AIDSは、「THE VARIETY」を主催する岸谷五朗さんが1990年10月より放送を開始したTBSラジオ「岸谷五朗の東京RADIO CLUB」に「実は私、エイズなんです」と15歳の少女から手紙が届いたことがきっかけとなりました。
当時は、「エイズ=死」という捉えられ方をしており、「握手しただけで感染する」などといった誤情報が伝わっていたため、こういった誤情報が差別を生むとし、「エイズには知るワクチン」とスローガンを掲げ、1993年に岸谷五朗さん・寺脇康文さんが発起人となり、12月1日に第1回目の「Act Against AIDS‘93.GORO KISHITANI PRESENTS “THE VARIETY”」が国立代々木競技場第一体育館にて開催されました。
その後は、音楽業界やゲーム業界を中心に、ミュージシャン、俳優、タレント(主にアミューズ所属やその友人)らが会場に集まり、無償で出演するコンサートイベントとして毎年開催されるようになりました。
イベント中盤には、毎年恒例となっているAAA報告のコーナーがあり、お客様からいただいたチケット代グッズ代でどのような活動ができたのかを報告しています。
また2007年からは、三浦春馬さんが活動に加わることとなり勢力的に参加、岸谷五朗さんや寺脇康文さんの意思を受けつぎ、2016年以降には正式にメイン(MC含む)として活動するようになりました(ウィキペディアより)。
また、三浦春馬さんは多忙な合間をぬって、2014年・2016年・2017年の3回に渡りラオ・フレンズ小児病院へ視察を行っています。
ラジオの手紙がきっかけで始められたのですね。
1993年から始まって、25年以上毎年続けているなんて素晴らしいことですね。
岸谷五朗さんの人脈や人望のなせる業といったところでしょうか。
三浦春馬さんもAct Against AIDSに対しては強い思い入れがあるようで、2018年12月のPICE記事によれば、
二人の意志を受け継ぐ後輩・三浦は「もっと岸谷さん、寺脇さんについていきたい」と語り、一方でイベントの準備については「稽古時間が少ない中、みんな頑張っています」と笑顔を見せた。すると岸谷は「まず振付が合うかどうかが心配」と笑い返していた。
「もっと岸谷さん、寺脇さんについていきたい」とおっしゃっていたんですね。
とても信頼していたことが伺えます。
なんでラオスに寄付?
しかし、ラジオの少女は日本人だったと思われるのに、なぜまた遠く離れたラオスを援助することにしたのでしょうか?
まずは日本に援助なのでは!?
2015年1月のグローバルニュースアジア記事によりますと、
2015年1月14日、ラオスメディアによると、ラオス国内でのHIV感染者数が1万人に達していることに当局が危機感を募らせている。
報道によれば、ラオス国内での感染者は、他のアセアン諸国に比べて少ないと言えるが、年々確実に増加しているという。
感染者が多いのは、首都ビエンチャン、ルアンパバン、サワナケート、チャンパサクと人口の多い都市がほとんで、年齢は15~45歳が多い。当局では、感染者の移動などの動向をすべて掌握しているとは言えず、彼らが仕事などの都合で国内外を自由に移動する状態も、感染拡大の原因の1つになっていると懸念している。
現在ラオス国内には、首都ビエンチャン、ルアンパバン、ボーケオ、サワナケート、チャンパサックなどに、165か所のカウンセリングと血液検査の施設と9つの治療施設しかない。
ラオスでは、隣国タイの性産業で働く女性も少なくない。それはバンコクよりも国境近くの場合も多く、出入国を繰り返しているため、タイの入管では入国時の審査は厳しくなってきている。
またラオス国内では、女性が客と同席して相手をしたり、連れ出すことができる店は厳しく制限されている。
しかし、一方でハンノイと呼ばれるいわゆる置屋があり、地方などでは未成年の女性も多い。そして、こうした性感染症に対しての知識不足が、今後も感染の広がりを助長している。
ラオスは衛生環境や医療環境が整っておらず、また性感染症やエイズに対する知識不足などから感染の広がりが年々増加していたようですね。
かたや日本では、1985年からエイズ発生動向委員会によってHIV感染者数とエイズ患者数が別々に報告されています。
年次推移を見てみますと、HIV感染者は1990年頃から急増していますが、ピークだといわれた2008年でも1,126人となっており、その後は毎年約1,000人ほどが報告されています。
エイズ患者数に至っては、2006年以降は400人超の人数が報告されています。
そして日本は、1986年に抗ウイルス薬が開発されたのち、その後の抗ウイルス治療が飛躍的に進歩し、感染者の生命予後が格段に改善されました。
日本の場合は、感染が判明したのちの治療率や治療成果がラオスより明らかに高いため、あらゆる面で環境が整っていないラオスに援助をすることにしたということなのですかね。
これまでの寄付の内容について
Act Against AIDS 「THE VARIETY」のこれまでの寄付については、以下のように記されていました。
<主な寄付先>
・ルーマニア
・国内高校・保健所パネル
・国内感染者・患者支援
<寄付金の使用用途>
◎各年ルーマニア→HIV感染孤児への支援
・食費(毎月平均延べ150名~200名)
・住居(暖房・修繕・家具・電話代等)
・衣料(衣料・寝具・靴 等)
・生活雑貨(洗剤・石鹸・シャンプー・衛生用品・清掃用品・電球等々)
・車輌関連(移動用ワゴン車・救急車・往診車<2台で兼用>燃料費・維持費)
・教育関連(文具・教科書・事務用品等)
・医療(薬代・検査関連費)
・人件費(施設・病院のソーシャルマザー・看護婦等の人件費)
・送料(日本から送る古着の送料)
・その他(住民税・誕生日プレゼント・成長記録写真・葬式・マトゥーシャ先生の管理業務サポート等)
・貧困な家庭の感染児へのサポート(通院交通費等)
・通院交通費・衣料・食料品
・貧困な家庭の感染児発見、調査、サポート
・レギュラー支援以外の施設への不定期支援(主に食費)
◎高校・保健所パネル
・エイズ知識パネル
・ルーマニア孤児紹介パネル
・毎年全国約300校の高校・中学と、約100ヶ所の保健所、エイズ関連イベントに貸出・使用
◎各年国内感染者・患者支援
・日本国内の感染者・患者の方々へのトータルサポート
<主な寄付先>
・日本ユニセフ協会
・フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN
・AAA啓発活動
<寄付金の使用用途>
◎ラオス支援
2007年~2011年は日本ユニセフ協会のプロジェクト(エイズの影響にさらされている子供達の支援)に協力。
2012年より特定非営利活動法人「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN」を通じ、ラオスに建設中のラオ・フレンズ小児病棟設立プロジェクトの支援費、医療器材費、スタッフ育成費などに充てる。
◎AAA啓発活動支援
全国の学校や保健所等に配布されるエイズ知識啓発ポスター制作・発送及び運営費。
◎東日本大震災支援 ※2011年~2012年
岩手県大槌町のまちづくり、NPO法人つどいを通じ、仮設図書館や足湯等、人が集える場所設営費用および小中高生の部活動支援や校外体験授業サポート費。
上記の内容を見てみますと、援助先は最初からラオスだけというわけではなく、ルーマニアであったり日本国内にも援助を行っていることが分かりました。
そして三浦春馬さんが活動に加わったとされる2007年からは、ラオスにも力を入れ始めていますね。
ラオ・フレンズ小児病院が建つための建設費やスタッフ育成費、医療機器代にも充てられているようです。
ツイッターなどで「存在しない病院に寄付している」と言う書き込みを見かけましたが、きっとこれは建設や開院に必要な費用を寄付していたんだと思います。
実際、2014年12月の映画.com記事では、
昨年は1535万3569円が集まり、うち1300万円超をラオスの小児病棟建設費に充てたと報告。
2年前の更地から来年2月開院予定まで出来上がった。
さらに寺脇は「買わなきゃいけないものがいっぱいある」と継続支援を呼びかけた。
とありましたし、ウェキペディアにも、「支援金などをもとに、'15年にはラオスで『ラオ・フレンズ小児病院』を設立。」と書いてありましたので、間違いないと思われます。
Act Against AIDSは2020年から「Act Against Anything」に変更
2018年のイベント内にて、以下のような発表がありました。
近年、AIDSに対する理解も広まり、抗AIDS薬も進化しエイズ感染者が減少している事から、「Act Against AIDS」は責任を果たしたという事で活動を終了する事が発表された。
とはいえ、AIDSだけでなく難病に苦しむ子どもたちを引き続き応援していきたいという想いから活動の名称を「Act Against Anything」と変更し、2019年は東京オリンピックの準備で日本武道館が使用出来ないため、AAAイベントは一旦お休みとなるが、2020年にイベント名称を「THE VARIETY SHOW 27」と変えて、今後も継続していく事が伝えられると観客から大きな拍手が送られていた。
名称が変わることは、2018年の時点ですでに決まっていたことでした。
公式ページにも「2020年7月20日で終了」と前々から記されていましたが、ファンの間では『三浦春馬さんが亡くなってすぐに終了して名前が変更されているから不自然!』だという声も一時あったようですが、、、
たまたま日にちが近かっただけということになりますかね。
三浦春馬さんも、名称が変わることに対しては次のように話しておられます。
2018年12月 ステージナタリー記事
「2015年に初めてラオスの小児病棟を訪問させていただいたのですが、そのときから、『フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN』がこの病院を現地スタッフだけで運営していくことを目指し、10年プロジェクトを続けている最中です。そんな中で、エイズだけではなく、難病と呼ばれる病気と闘っている子供たちがまだたくさんいます。『Act Against Anything』にすることで、ラオスの病棟の未来も拓いていけると思います」と、2人と共にチャリティ活動を続けていく決意を明らかにした。
この言葉を読む限り、名前が変更されたあとも春馬さんはチャリティ活動を続けていくつもりだったんだと思われます。
イベント収益に対して寄付金額はいくらほど?
そして気になるのは、Act Against AIDSのイベント収益と寄付金額です。
2020年9月のシアターテイメントNEWS記事によりますと、
これまで26回の活動で支援させていただいた金額は総額308,153,688円(2018年寄付額:17,771,619円)で、主に国内でのAIDS啓発活動やルーマニアでのHIV感染孤児への支援などのために寄付を行い、そして近年の収益金は特定非営利活動法人「フレンズ・ウィズアウト・ア・ボーダーJAPAN」を通じて、ラオスのルアンパバーンにあるラオ・フレンズ小児病院に寄付され、医療設備の充実や医療スタッフの育成にも役立っています。
とありました。
25回の時には「総額290,382,069円」と報告されていましたから、
308,153,688-290,382,069=17,771,619円
うん、合っていますね。
24回の時は12,869,308円でしたから、毎年おおよそ1200万円~1700万円ほどの寄付ができているということになりますかね。
イベント収益を計算して寄付金と比べてみた
予想も含まれますが、イベント収益を計算してみました。
※Act Against AIDS 2018の場合です。
日本武道館のキャパは14,471人収容、毎年イベントでは9,000人ほどの観客だとのこと。
【チケット料金】(税込)
指定席 6,000円
2F後方立見 6,000円
ステージサイド席 5,500円
ステージバック席 5,000円
※席によって料金が違ったので、あいだを取って5,500円で計算します。
観客9,000人×チケット代5,500円=49,500,000円
<2018年は全国の映画館50か所でライブビューイングも開催>
2018年は、日本武道館で開催される『Act Against AIDS 2018 「THE VARIETY 26」~遂に!俳優だけの武道館ライブ!!
・・・大丈夫なのか~~!?~』を、全国各地の映画館にてライブ・ビューイングとしても開催されました。
※今回のライブ・ビューイングの収益も、Act Against AIDS「THE VARIETY」を通し、全額寄付するとありました。
【チケット料金】
料金:3,600円(全席指定/税込)
調べたところ、ミニシアターと呼ばれる映画館の座席数でも200~300席ほどあるとのことですので、ライブビューイングをする映画館の座席数が各200席だったとして、
映画館50か所×収容人数各200人=観客10,000人
観客10,000人×チケット代3,600円=36,000,000円
武道館49,500,000円+ライブビューイング36,000,000円=85,500,000円
単純に計算すると、チケット代はこのようになりました。
それに加えてグッズ代もありますからね。
グッズは、ライブビューイング会場では
・サコッシュ 1,500円(税込み)
・ステッカー 800円(税込み)
・台本風ノート 1,200円(税込み)
となっており、会場によってはカフェボトルやコラボタオルなどもあったようです。Tシャツは不明です。
例えばお客さん全員がステッカー800円を1つ買ったとしたら、
観客19,000人×ステッカー800円=15,200,000円
もちろん全種類買う人もいるでしょうし、何個も買う人もいるでしょうし、グッズだけを買いに来る人もいるでしょうから、
チケット代と合わせると1億は優に超えると思いました。
あくまでも私の「計算上の予想」です。
しかし実際、2018年の寄付額は17,771,619円となっており、印象としてはかなり少ない気がします。
なぜなんでしょうか。
もしかしたら、武道館を借りるお金やグッズの生産費用、宣伝費やコンサートの制作費などを差し引いた額なのかも!?とも思いました。
もしもそうなら、「チケット代を寄付」「全額寄付」と簡単に書くのではなく、頭の悪い私のようなファンにも分かりやすく細かく記しておいたほうが、誤解を招かなくて済む気がしました。
ということで、武道館を借りた時の金額も調べてみましたよ。
開催する内容によって多少金額は違うようで、音楽・ショー・物販展示など(入場料1,000円以上の場合)は480万円だそうです。
思ったより安いですね。
相場が全然分からないので、私はてっきり1千万単位でかかるのかと思っていましたよ。
チャリティーグッズの生産費用はいくらなのか!?・・・これはさすがに分かりませんでした。
う~ん、どうなんでしょう。
まあ、映画館の座席数はあくまでも予想ですし、チャリティーといえどコンサートをするには多少の経費はかかりますからね、、、
三浦春馬さんは「寄付の見える化」を図った
三浦春馬さんは2016年から、岸谷五朗さんらと一緒にMCを含んだメインも務めるようになりました。
そして、春馬さんのことを驚くほど把握している方からの情報ですと、その頃から春馬さんが収支の管理も担当されていたようです。
そんななか、春馬さんは「寄付の見える化」を図ろうと働きかけたといいます。
実際に記事もありました↓↓
※今後、上記の記事が削除された時のためにスクショを取りました。
皆様もできればスクショをお願いします。春馬さんに関する記事が消えていくという奇妙な現象が起きているからです。
記事によりますと「寄付の見える化」とは、発信力のある者が紹介や報告だけをするのではなく、実際に現地に出向き、状況を把握、そして肌で感じたことを持ち帰り発信することで、言葉により影響力が生まれるというものです。
また、寄付金がどのように使われ、どのように役に立っているかを実際に目にすることで、本当に必要なものであると訴えられるのです。
とくに「人材を育成していくこと」に使われる費用については、目に見える形が無く、本当に使われているかは遠い日本からは伺うことが出来ません。
それを春馬さんは、実際に自分の目で確認しに行っていたということになります。
2017年の三浦春馬さんの言葉↓↓
今年もAAAに参加させていただきます。
今年も現地・ラオスへ視察に行かせて頂きました。
現地スタッフ、そして患者として病院に集まってくる子供たちの笑顔を目の当たりにしているので、少しでも現地で働いている皆さんの思いを、武道館に集まってくださるお客様に、イベントで楽しんでいただくと共に、彼らの頑張りを少しでも広められたらと思っております。
勢力的に活動に参加していたことが伺えますね。
三浦春馬さんのラオス訪問年の疑問
ここまで調べてみて、あれ?おかしいな?と思うことがありました。
もしかしたら、気が付いた方もおられるかもしれませんが。
ウィキペディアには、三浦春馬さんはラオスに2014年・2016年・2017年の計3回視察に訪れたとありました。
しかし春馬さんは、ステージナタリー記事では「2015年に初めてラオスの小児病棟を訪問させていただいたのですが、」とおっしゃっているのです。
自分が初めて訪れた年を間違えることはまずないので、2015年が正解ですよね。きっと。
その2015年というのは、2月11日にラオ・フレンズ小児病院開院セレモニーが行われた年で、三浦春馬さんはテープカットにも参加しています。
それなのに、なぜかウィキペディアには「2014年」とあり、さらには2015年の開院セレモニーのテープカットに参加したことを一切記載していません。
更に奇妙なことに、旧AAAサイトにもテープカットについては紹介されていなかったと言います。
なぜなんでしょうか。
私がいつか見た画像では、隣の2人の男性しか映っておらず、春馬さんがまったく映っていませんでしたよ。
旧AAA のサイトは2020年11月30日で終了となっており、それ以降は入れない状態となっていました。
スクショしておけばよかったです。
おわりに
Act Against AIDS(Act Against Anything)の活動自体は、とても素晴らしいものだと感じました。
寄付金によって、ラオスその他の困っている方々の支援につながれば、三浦春馬さんも嬉しいのではないでしょうか。
チャリティの名前が変わった後も、春馬さんは参加する意思を示していたという点については、私は「2019年以降は参加しない」と思っていましたので、勘違いをしていました。申し訳ありません。
ただ、イベントの収益に対して寄付金が少ないのではと感じたので、詳しく仕分けを教えていただきたいなと思ったのと、春馬さんがラオスに訪問した年の相違点、さらには開院セレモニーでテープカットしたことを画像まで操作して、何故なかったようにしているのか。
それらが疑問に思いました。
すべて私の勘違いや見落としならいいのですが。
少し長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。
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