日本では昔からなじみの深い盆栽ですが、現在では外国人の方にも「BONSAI」として知られるようになり、SNSなどでも人気が高まっているといいます。
そこで今回は、盆栽の手入れの仕方や楽しみ方、歴史などを分かりやすくご紹介します^^
もくじ
【盆栽の技(手入れ・育て方)】
樹木の状態を見極めながら手入れを施すことで、美しさが生み出されます。
<水やり>
土の乾燥の度合いを確認しながら、適度に水を与えます。
<剪定>
一度切ってしまった枝は元には戻せません。
剪定したあとをイメージしながら、切る枝を慎重に選び少しずつ切っていきます。
<植え替え>
定期的に器から取り出して、不要な根を切り土を替えます。
<針金かけ>
枝の形を変えるために行います。これは高度な技術が要求されるので、上級者向けだといえます。
【盆栽の樹形(専門用語)】
盆栽には様々な形があり、それぞれに個性や特徴があるんですよ。
<根連なり>
ひとつの根元から複数の幹を左右に伸ばし、木々が身を寄せ合っている姿を表します。
<寄せ植え>
ひとつの鉢に、いくつもの苗木を植えることをいいます。
<吹き流し>
幹を傾け、強い風になびく姿に作ります。
<懸崖(けんがい)>
切り立った崖から垂れ下がる姿に仕立てます。
<直幹>
一本の幹が垂直に伸びることをいいます。
<模様木(もようぎ)>
幹に変化があること(うねりなど)。
【盆栽の歴史と現在】
古くは中国の「唐」の時代に記録されており、日本では平安時代からだと確認されています。
江戸時代の浮世絵版画にも、盆栽を楽しむ姿が描かれているといいます。
現在では、シニア世代のみならず若い世代にも人気が高くなっており、カルチャー教室が随所で開催され個々に楽しむ人が増えてきたほか、海外にも人気が浸透し、海外からの顧客も多くなっているそうですよ。
世界で初めての公立盆栽美術館である「さいたま市大宮盆栽美術館」では、2017年度の来館者数が過去最高の約9万6000人だったんだとか!
「第8回世界盆栽大会inさいたま」が開催され、世界中の愛好家たちが訪れたほか、外国人観光客の来館が大幅に増えました。
盆栽庭園の真ん中でプロポーズをした外国人男性もいたんだそうですよ!
【盆栽の楽しみ方(鑑賞するポイント)】
<枝・枝ぶり>
盆栽の輪郭を形成する重要な要素となる部分で、迫力や繊細さを感じることができます。
<葉>
同じ樹種でも、葉には個性があり唯一無二の存在をあらわしています。
<ジン・シャリ>
ジン(神)は枝先、シャリ(舎利)は幹のこと。
幹や枝は一部が枯れてもそのままの形を残すことがあります。
<根・根張り>
根の張り具合のことをいいます。根が土をつかむさまがポイントです。
<幹・立ち上がり>
根元から最初の枝まで伸びる幹を「立ち上がり」といい、ここから上に向かって伸びることで
大木のような迫力が表れ、見る者を楽しませます。
【おわりに】
私が子供の頃、近所に住むおじさんが盆栽をたくさん手入れしており、遊びに行った際よく眺めていたのを今でも覚えています。
実際自分でも育てたことがあり(本格的にではありませんが)、木の根元に小さな妖精を置いたりして、自分だけの「世界」を作って楽しんでいました^^
盆栽は、ただ単に「鉢に入れた草木」ではなく、幹や枝を趣があるように整え、自然の風景を縮小して表現した『鑑賞作品』です。
ほんの少しの剪定や針金かけで、瞬く間にその表情は形を変え、唯一無二の存在となっていくのです。
なんて奥が深くて面白いんでしょう!!
盆栽は正面や上から見つめるだけではなく、腰を下ろして、下から見上げることで大自然の「芸術」を知ることもできます。
ガーデニングとはまた違った楽しみ方がある「盆栽」、少しでも興味を持っていただけたら幸いです^^