こんにちは。
今回は、「日本アカデミー賞2021ノミネート作品は?天外者が選ばれない理由」というテーマについてです。
日本で誰しもが知っている有名な映画の祭典といば、「日本アカデミー賞」ではないでしょうか。
毎年テレビで授賞式の様子が放送されていますが、なんだか別世界のような厳かな印象を受けておりました。
しかし一方で、「出来レース」や「ヤラセで賞を与えているだけ」などといった批判的な声も多くあると言います。
なぜ日本アカデミー賞は、そのような批判的な言葉を浴びてしまうのでしょうか。
そういえば、あれほど話題になり大ヒット&ロングランにもなった三浦春馬さんの主演作「天外者」は、今回ノミネートにすらあがっていないようですね。
どうしてなんでしょうか。
もくじ
日本アカデミー賞って何?
日本アカデミー賞は、公式サイトには
日本アカデミー賞とは、1978年より日本の映画製作者の投票によって決まる映画人による映画人のための賞のこと
とありました。
これだけ見ますと、とても由緒正しい賞のように感じますね。
しかし実際、映画ファンからは「大手映画会社の持ち回りで賞を取らせているのでは?」「笑っちゃうくらい配給会社が大手ばかり」「出来レースの商業臭が半端ない」などと、かなり批判されているようです。
日本アカデミー賞の選考方法は?
日本アカデミー賞の選考は、
①日本アカデミー賞協会員による投票で、受賞作品数本と俳優数人にまで選定。
②数本・数人にまで選ばれた作品や俳優を、再度日本アカデミー賞会員によって厳選されたのち、優秀作品や最優秀秀作品などが決定。
という方法で選定・決定されています。
この時点でも、厳正な選定をしているように伺えますね。
どこに批判される理由があるというのでしょうか。
日本アカデミー賞会員って誰?
ところで、賞を決める「日本アカデミー賞会員」とは誰が担っているのでしょうか?
公式サイトによりますと、2020年度の日本アカデミー賞会員数は3953名で、所属内訳は以下の通りになっています。
<会員所属内訳>
松竹293、東宝296、東映273の大手3社は計862名で、 全体の21.8%を占めています。
また、日活53、KADOKAWA135を合わせると計1,050名で、全体の26.5%を占めることとなります。
結構な割合を占めている印象ですが、それよりも気になったのが「賛助法人」という文字です。
「賛助法人」とは、アミューズやオスカープロモーションなどの芸能事務所やギャガやアスミック・エースなどの独立系映画会社、テレビ局、出版社、広告代理店、制作プロダクションなど200社以上が含まれる票のことを言います。
2020年度の賛助法人は1693名もおり、全体のじつに42.8%も占めています。上記の配給会社5社と合わせると、なんと全体の76.2%にも及びます。
しかも、賛助法人の投票権の内訳ははっきり公表されていないと言いますから、かなりの不透明さを感じますね。
これでは「贔屓している作品や役者が賞を獲るのでは?」と言われてしまっても、無理はないような気がしました。
実際に、これまでの最優秀作品を見てみましても、たいてい大手の配給会社(松竹・東宝・東映・KADOKAWA)関連の作品が多いことが分かりました。
2021年にノミネートされた作品や俳優は?
第44回日本アカデミー賞にのみノミネートされた作品や俳優は、以下の通りになっています。
優秀作品ノミネート
●浅田家!(東宝)
●男はつらいよ おかえり 寅さん(松竹)
●罪の声(東宝)
●ミッドナイトスワン(キノフィルムズ)
●Fukushima50(松竹)
なるほど、大手配給会社の作品がほぼ総なめですね。
唯一「ミッドナイトスワン」だけが違いますが、『全部大手だと批判が強まったりあやしまれるから一つだけ入れてみました感』が否めません。もちろん、作品自体は素晴らしいのでしょうけどね。
優秀主演男優賞ノミネート
●小栗旬(罪の声)
●草彅剛(ミッドナイトスワン)
●佐藤浩市(Fukushima50)
●菅田将暉(糸)
●二宮和也(浅田家!)
草彅剛さん、色々ありましたが頑張っておられます。
是非とも受賞なさってください。出来レースでなければ、勝機はあるはずですから。
優秀主演女優賞ノミネート
●小松菜奈(糸)
●永作博美(朝が来る)
●長澤まさみ(コンフィデンスマンJP プリンス編)
●長澤まさみ(MOTHER マザー)
●倍賞千恵子(男はつらいよ おかえり 寅さん)
●広瀬すず(一度死んでみた)
長澤まさみさんは二つの作品の優秀主演女優賞としてノミネートされているのですね。
素晴らしいですね。
有名人も苦言を呈していた
お笑い界の重鎮で、「世界の北野」こと北野武監督はかつてトークイベントで、
「(日本のアカデミー賞では)推薦された作品しかノミネートされない。自分の映画がアカデミー賞に推薦されたことは一回もありません」
「全部持ちまわり。今年はあそこ、次はどこ。アカデミー賞の会員が選んだなんて言っているけどアカデミー賞の会員なんかどこにもいない。そういう汚いことばかりやっているから日本映画がダメになる」
と、日本アカデミー賞を強く非難したことがありました。
一方、同協会の会長は「厳正な投票」だと反論したようですが、果たして真相はどうなのでしょうか。
また女優の樹木希林さんは生前、出演された「東京タワーオカンとボクと、時々オトン」が賞を独占した結果になった際、
「私なら違う作品を選ぶ」
「組織票かと思った」
「半分くらいしか出演していないのに、賞(最優秀主演女優)をいただいてしまって申し訳ない」
「帰りたい」
などと言われていました。
これは、多くの賞レースを総なめしていた「それでもボクはやってない」をほぼ無視し、主催の日テレが出資した「東京タワーオカンとボクと、時々オトン」が日本アカデミー賞の賞を独占したためだと言われています。
そういえば、樹木希林さん最後の主演映画となった2015年公開の「あん」は、本当に素晴らしくて感動しました。
間違いなく代表作であり、樹木希林さんは『真の映画人』であったと思います。
天外者は絶対に選ばれていなかった
以上のことを踏まえて見てみますと、残念ながら「天外者」がノミネートされることは皆無だったことが分かります。
配給会社が大手ではないことや、様々な後ろ盾がないことなど。
映画人による映画人のための賞??もし本当にそうなら、色々な配給会社の作品がノミネートされているはずですし、地上波ではあまり有名ではなくとも映画界では有名な役者がノミネートされてもいいはずです。
真相はどうなのか分かりませんが、しかし大手の配給会社の作品が毎年多くノミネートされていること、また役者の顔ぶれも有名な方々が多いということが分かりました。
天外者は、そんな枠に収まるような作品ではありません。
現に評価は高く、延長上映やリターン上映、新たに上映決定など、全国各地で天外者旋風が巻き起こっているのですから。
観客動員数や興行収入も上昇し続け、大手配給会社の作品に負けないくらいの状況になっていますもんね。
純粋に素晴らしい作品は、そうやって口コミで広がっていきロングランになっていきます。
はじめこそ「三浦春馬の最後の主演作品」ということで話題になったかもしれませんが、良くない作品なら今頃は上映終了になっていたはずです。
そんな素晴らしい「天外者」と「三浦春馬さん」に、日本アカデミー賞・話題賞を獲らせてあげませんか?
話題賞は、組織票が絡んでいそうな日本アカデミー賞とは違い、私たち一般視聴者の投票で決まる賞となっています。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください(投票もこちらからできます)。
⇒日本アカデミー賞話題賞に天外者と三浦春馬氏を投票しよう!方法は?
鬼滅の刃など、手ごわい作品もありますが、、
映画人という方々に、目にものを見せてやりましょう(笑)。
締め切りは2月5日(金)23:59までですのでご注意くださいね。
では、今回はこのへんで。
<追記>
日本アカデミー賞 話題賞は、三浦春馬さんと天外者は惜しくも受賞ならずでした。
残念ですが仕方ないですね( ;∀;)